表参道駅から2分程行った静かな路地を歩いていると、パンが焼ける香ばしい匂いがしてきます。路地に面したマンションの窓から、楽しそうにパンを作る生徒さんと先生の姿が見え、それはこちらまで和やかな気持ちになる光景。 土曜の午後、開放されたドアから入ると何人もの生徒さんがパンをそれぞれ作っていて、そして何より皆さんとても楽しそうでした。 先生、とても良い雰囲気のお教室ですね? 「自由奔放なの。この教室は。」 「レシピを買ったり、こね機を買ったりすることはもちろんないし、お月謝だけです。パンは美味しく楽しく焼かないとね。」
パンは愛情を込めて焼くというのが先生の大事にされているポイント。愛するものに食べさせたいという気持ちで焼いたパンはきっと味が違うのでしょう。そう言っていると、一人の生徒さんがやってきて、若生先生に相談していた。
「先生、今日はシナモンを入れて焼こうと思って…。母が好きなんです。この型を使おうと思うんですけど…。」 パンを焼く技術だけでなく、愛情込めて焼くということもしっかり習得されているようです。基礎を一通り終えた生徒さんは、約1000種類ほどあるレシピの中から、また独自のアレンジで好きなパンを作ることが出来ます。 たくさん生徒さんがいらっしゃるようですね?
「宣伝はしないんだけど、口コミとかでここまで生徒さんが集まっているのよ。中には20年通って、その方のお子さんまで来ているくらいだから。ありがたいことに、皆さん辞めないでいらっしゃっているの。」
永く続けられているのには、たくさんご苦労もあったのでは?
「いろいろありましたよ。でも、家族や生徒さん、いろいろな方に助けていただいて続けることが出来ていると思います。」 そう言って、にこやかに笑う先生が20周年記念と時のビデオや写真をいろいろと広げ、私にこれまでのパン教室の様子を話してくれました。その写真の中や資料に出てくる「若竹会」という文字。それはブレッドハウスの生徒交流会で、バーベキューや日曜教室などのいろいろなイベントを実施しているそうです。 インタビューの間も「先生」と呼ぶ生徒さんの声や、先生やお教室の紹介を一緒にしてくれる方が参加して下さったりで、話は尽きません。 (生徒さん)「ここは幸せを呼ぶパン教室なんですよ。」 と、言いますと? (生徒さん)「この30年間の中で、この教室で出会って結婚したのが20組以上もいるんです!」 そうなんですか!すごいですね! このアットホームなお教室での交流が、そういったハッピーを生み出すのでしょう。
「ここの生徒はみんな私の子供のようなものです!」
「私、30年間、病気で休んだりしたこともないのよ。」
私が驚いて、元気の秘訣を伺うと、
「若い人たちと接しているからね!あと、やっぱりパンは身体に良いわ。」
そう言って、若生先生は笑顔で答えてくださいました。
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